SSブログ
シングルマザーズ ブログトップ
- | 次の1件

シングルマザーズ 1話 感想 [シングルマザーズ]

シングルマザーズ 第1話「ようこそ、シングルマザー!」の感想(あらすじネタバレ含む)です
DVという何年も続く日本社会が抱える闇の部分を深く切り込んだ作品
とても思い内容ですが男だからこそ見るべきであり、
男だからこそ男目線でのレビューをすべきだと思い、
敢て男なのに独身なのにこのドラマを見てみることにしました


舞台は1999年
主人公の上村直は夫・青山信樹の理不尽極まりないDVから逃れるため、
1人息子の涼太と命からがら逃げ出します
最初はDV被害者の保護施設である「DVシェルター」と呼ばれる避難施設に身を寄せます
恥ずかしながらそのようなところがあるのも僕は知りませんでした
しかし直はここにいても夫の信樹が追ってくると思い込み安心ができません
基本的に場所は簡単に調べられないような場所にあるようです
電話番号さえ明かしていないようで


シェルターで「青山さん」と呼ばれると「上村です」と旧姓を強調し、
離婚意思をキッパリ表明する直
直は信樹が追ってくることに病的に脅えています


精神まで病んでしまっている直は施設を信じる事ができず、
涼太の手を引きそのシェルターからも「夜逃げ」してしまいます
恐怖心で正常な判断ができない・・・つまり「テンパって」しまっている直
正直これで余計に苦労を背負い込むことになった気がします
単に信樹が追ってこれないような「遠くへ」行くことだけで「その先」まで考えていません


2人がたどり着いたのは「汐浦市」という架空の市
でももう思いっきり横須賀市丸出しです(笑)
別に架空の市にする必要ないと思うんですが(笑)


さっそく直は部屋を探しますが職なし保証人なし子持ちで住める部屋はなかなかありません
家の雰囲気から信樹の稼ぎはなかなかのもののようでしたが、
直はあまり貯金も持ってきていないようなことをシェルターで話していました
その為探している部屋も1人暮らしの大学生が住むような安い部屋ばかり
そのレベルだと子供と入居がまずネックになるわけです
挙句に職もなく保証人もない
ほとんどの大家が「NO」を突きつけるでしょう


結局1日探しても部屋は見つからず、
どこか止まる所を探す直
簡易宿泊所(?)とでも言うのか一泊800円だとか1000円だとか信じられない安さの宿泊施設が並ぶいかにも「場末」といった雰囲気の貧民外みたいなとこで一夜の宿を得る直
風呂もなく部屋に水道もテレビもなく文字通り「ただ寝るだけ」な施設のようです


不動産の人間といい、この宿のオーナーといい、ことごとく嫌な人ばかり
ドラマだから誇張してるんだろうけど
夢にまで出る夫・信樹のDVで目が覚め悲鳴を挙げてしまう直
それに反応して大泣きする涼太
オーナーが「うるっせぇんだよ!出てってもらうぞ!」と怒鳴りつけてくる
続けて「全く・・・何て母親だよアンタ」と吐き捨てる
人間の心もないようなオーナーです


翌日も部屋を探すが見つからない直
とある「外国人歓迎」物件を扱う不動産の前で足が止まる直
そこの店員で後の友人となる久美が気さくな笑顔で声をかける
思えば直の「逃避行」中で初めて向けられた笑顔ではないだろうか
そして久美は直の境遇を察して家賃3万ならがらも風呂付きで南向きの1DKルームを斡旋
彼女も直と同じでシングルマザーだったのである
窓から見える海や初めて(?)の畳に感激する涼太


久美を演じる北斗晶は確かにセリフ棒読みっぽいけどすごくいい演技だと思う
今の直にはあんな感じで明るく接してくれる友人が貴重だったと思う
プロレスラーという職業はものすごく「表現力(演技力)」が求められる世界
プロレスというものは「ショー」であり真剣に強さを競って戦っているわけではない
昨年大相撲の八百長問題が発覚したがプロレスは「八百長」とも違う次元の極めて特殊なジャンルである
本気で殴りあったり大技をかけて痛めつけあっているわけではない
しかし本気でそうしているように見せなければ観客は沸かない
超一流の女子プロレスラーだった北斗晶だからこその表現力だったのだろう


横須賀・・・じゃなくて汐浦の海に婚約指輪を捨てる直
翌日からは職探しを始める直
しかし30代半ばで資格もなく長いこと主婦で職歴もないに等しい直には「就職活動」は厳しい
ましてパートやアルバイトや派遣でもなく「正社員」を求めて就職活動をしている直
ことごとく不採用になるのは無理もない
不動産・簡易宿泊施設に続き面接官もことごとく嫌そうな奴ばっかり
ことごとく嫌な奴ばかり強調してシングルマザーの前途の多難さを予感させる演出か
久美の明るさや優しさとのコントラストも際立つ


涼太の保育所探しも困難を極める
保育料が月数千円と安い認可保育園は順番待ちの状態で入れず
仕方なく月6万もする無認可保育園に涼太を預けることに
保育園に家賃の倍も取られるのはキツいだろうなぁ
待機児童問題もDVと並ぶほど大きなテーマですよね・・・


ようやく料理屋のパートの仕事を得る
横須賀によくある店内にいけすを設けている鮮魚系居食屋である
時給850円
1日6時間で月20日働いても10万程度にしかならない
保育料金と家賃だけで9万が消える
光熱費を引くと残り数千しか残らない
食費はとても賄えるもんではない
もう1つ仕事を探さなきゃいけない直


離婚さえ成立していれば母子家庭には「児童扶養手当」が給付される
しかし直は信樹とはもう会う事もしたくない
離婚手続きなどできるわけもない


貧困を極め、もやし炒めとわずかのご飯の粗末の食事を食べる直と涼太
生活は限界に近づいていた
仕事も見つからない・・・
そんな中で街を歩いていると涼太がカレー屋を見つける
どう見ても「横須賀海軍カレー」である(笑)
「汐浦海軍カレー」とでも言っておきましょうか(笑)
とにかくそこで1人分だけしかオーダーをしない直


そこは小暮家が経営し50年以上続けているカレー屋「鴎夢亭」であった
若林豪演じる店主の小暮金治は強面で無口
田島令子演じるその妻の雅子は人当たり良く気さくな性格
ユージ演じる孫の洋輔は軽いけど優しさもある人物
その3人で経営している店である


さっそく令子は直にサラダをサービスする
令子は土日は働き手がいないとボヤく
それを聞き直は土日働かせて欲しいといきなり頼み込む
当惑する令子
「無理だ!」と断る金治
「雇ってやれよ」と洋輔
結局金治は首を立てに振らない
だが店を出た直を追いかけた令子が「土日よろしくね」と採用を決める
土日は働き手がいないから店を徐々に閉めようと思っていたとのこと
確かに飲食店で土日稼動できないようでは先は長くない


直はついに土日の仕事(食費を稼ぐ仕事)を得た
また、涼太にも慎之介という友達ができ、
その母親で水商売の難波水枝とも奇妙な友情を形成する
徐々に希望が持て始めてきた・・・
そう思っていたが・・・


パート先の居食屋ではいけすから取り出す魚を間違えたり、
厨房の板前のセクハラに合ったり苦労が耐えない直だったが、
ある日信樹に「ちょっとだけ」似た風貌の客が店内に入ってくる
これを信樹と勘違いした直は恐怖で動転してしまう
しかも映像では田中哲司が実際に店内に入ってくる
これは直の心の中の恐怖感から来る映像(ビジョン)なんだろう
いけすの影に隠れて再度その客を確認し信樹でないと知るものの、
動転して力が抜けてしまった直はグッタリしてしまう


さらにそこに後ろからいきなり「おい」と肩を叩かれ絶叫して悲鳴を挙げてしまう
肩を叩いたのは直が落としたボールペンを拾ってくれた客だった
その客はただボールペンを渡そうとしているだけなのに直は「やめてー」と喚き倒れこんでしまう
店内中から視線を受けてその客は「オレは何もしてない」と不快に
そして店主が厨房から出てきて直を叱責し始める
そこに絶妙の「助け舟」を出した客が高坂燈子である


まず、店内の空気が凍り付いていたのを「ねぇ~お寿司まだ?おなかすいちゃったんだけど」と笑いを取って雰囲気を和ませる
そして店長に対しても「お寿司まだかしら~。久しぶりの贅沢なんだから。頼むわよ店長!」と背中を押し厨房へ引っ込ませる素晴らしすぎるフォロー
そして発作がおさまらず呻く直の背中をさすり「大丈夫よ。嫌な記憶が蘇ったのね。深呼吸して・・・」と介抱
そして自身が代表の「ひとりママネット」の名刺を渡して「何かあったらここに来て」と声をかける


後日、ひとりママネットの事務所を尋ねる直
その道中何人もの米軍のネイビーが町を歩いているのが描かれる
もう横須賀って言っちゃえよ(笑)


そして事務所の中へ入る直
古いブティックの2Fにあるその事務所
本来は住宅だったんだろうがそれを改造した形の事務所である
中では燈子がゴキブリ相手に新聞丸めて格闘していた最中だった
直の姿を見て大歓迎する燈子


直は児童扶養手当について質問する
しかしやはり離婚が成立していないと付与されないと告げる燈子
ただ、1年間夫からの援助が全くなければ「父親の遺棄」とみなされ付与されるとのこと
その証明や手続きがいろいろ面倒だがその時は燈子も一緒に役所に行くとどこまでも頼もしい
そして「世界一素敵な人生にしよう!ようこそ、生まれたてのシングルマザー!」と直を励ます


力強くグイグイと直を励ます燈子
感動の笑顔の直で今回は終り


主題歌は徳永英明の「名前のないこの愛のために」
とっても良い曲
しかもドラマのイメージとピッタリ
今クールは「プライスレス」のストーンズや「東京全力少女」など全然ドラマのイメージと一致しない主題歌が多いが、この曲は本当にドラマの雰囲気にピッタリ合致している


とにかくこの第1話は高坂燈子を演じる高畑淳子が主役と言っても良いくらい魅力的だった
居食屋での絶妙なフォローや直への励まし方
そして話したくない事は話さなくていいと言えるその包容力
何もかも完璧だった
また久美や令子の明るさや水枝の不器用な思いやりなども全て直には嬉しかったんだと思う


男としてDVは絶対に許せないものだしあってはならないものだと思う
この深刻で深いテーマを扱うこの作品の今後がとても気になるのである

以上、シングルマザーズ 第1話「ようこそ、シングルマザー!」の感想(あらすじネタバレ含む)でした
第1話の視聴率は7.7%でした

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ
- | 次の1件 シングルマザーズ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。