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平清盛 最終回 感想 [平清盛]

平清盛 最終回(第50話)「遊びをせんとや生まれけむ」の感想(あらすじネタバレ含む)です
ついに今夜が1年間の総決算
今夜が山田です
清盛(松山ケンイチ)は瘧(おこり/現代で言うマラリア)に感染し瀕死の状態です
先週から熱い熱いと口にし始めて伏線を張っていましたね


基本的にこの大河ドラマは「平家物語」にかな~り忠実です
平家物語で病床で熱に熱さで苦しむ清盛に冷水をかけるとそれが蒸発したという非科学的な記述までリアルにCGまで使って再現したNHK
今回は西行(藤木直人)絡みで清盛の霊が再三登場する手法を取り、かなりリアリズムからは離れます


この最終回で一番目立ったのは西行でしょう
清盛の若い頃から知っている友でもあった西行
清盛(生霊)の最後の言葉を聞き、それを諌め、そして平家一門に最後の言葉を伝え、さらに頼朝との「対面」をセッティングしたも同然
最後の最後で西行大活躍です


清盛の最後の言葉は有名な「頼朝の首を我が墓前に供えよ」でした
最後の最後で武士の矜持を見せての絶命シーンでしたね


清盛の死後は平家一門の最後をほとんど頼朝の解説のみで済ませるちょっと雑な演出
逆に義経の最期や弁慶の立ち往生などは描きましたね
そういえば平家打倒に絶対欠かすことができなかった源(木曾)義仲はこのドラマには登場しませんでした
視聴率が良かったら誰かキャスティングされたんじゃないかな


ドラマのクレジットも最期の方に名前が出てくる「ベテラン枠」の演者が平忠盛を演じた中井貴一がクランクアップして以降、そこに名前を出せる役者不足が明らかで、
実質上川隆也1人でずっと「持たせていた」ようなものだった
初期は中井貴一の他にも伊東四郎や中村梅雀や小日向文世や國村隼などいっぱいいたのにね
皆序盤で出番が終ってしまうキャスティングに偏ったせいで、いつも終盤に名前が出る演者が貧相だった
このあたりは視聴率次第では急遽大物キャスト追加などもあったかもしれないだけに残念な部分でした
義仲は年齢的にそこに名前が出るような役者が配役される可能性は少なかっただろうけど
とにかく酷い回などは上川隆也の名前が表示されるまでに結構間が開いてしまってたくらいですから(笑)


他にも巴御前や静御前、那須与一の扇の的など源氏系の人物は一切登場なし
これらはともかく義仲まで登場しないのはちょっと無理があったかなぁ
そういえば奥州藤原氏3代の最期の1人である藤原秀衡(京本政樹)も颯爽と威厳を持ちながら登場したわりには「チョイ」役で終ってしまいましたね


チョイ役と言えば終盤でちょこっと出した仏御前(木村多江)も中途半端な起用で終ってしまいましたね
一番理解に苦しんだのが前回の堀川局(りょう)の再登場
あれは必要あったのか本当に理解に苦しむ
単にりょうがまだ若干30代にして老婆役をそのまま違和感なく出来てしまうほど老けている事を示しただけで、
出演した本人にとっても寧ろマイナスアピールだったんじゃないかとしか思えない再登場だった


平家滅亡の象徴的なシーンである幼き安徳帝入水のシーンがこの最終回のクライマックスでもあります
建礼門院(平徳子/二位尼)を演じた深田恭子
髪は若干白髪にしているが59歳とは思えない若々しさと美しさで逆に前部だけの白髪が美しさを引き立てているかのような風貌でした
有名な「浪の下にも都の候ぞ」(海の底にも都がございましょう)と安徳帝に告げ心中入水で自害します


日本史上でも屈指の悲劇とされる幼き安徳帝の入水死
帝を道連れにして無理心中してしまった平家の判断は何とも言えないものがあります・・・
三種の神器の1つである天叢雲剣も共に海の藻屑と消えてしまったように描かれます
どちらにしても複雑なシーンです
歴史の残酷さが容赦なく伝わる場面でもありますね


祇園精舎の鐘の声・・・と歌う盲目の琵琶法師
それはかつて平時忠(森田剛/V6)が形成し、兎丸(加藤浩次/極楽とんぼ)の命を奪った禿(かむろ)の1人である羅刹(吉武怜朗)だった


あれ全員少女だと思ってたけど男だったんだね
しかも少年でもない21歳だったとは・・・
逆に言えばめちゃくちゃ中性的な童顔
でも彼の普段の画像見てるとフツーの21歳の男って感じだけどね
やっぱりあのおかっぱみたいなメイクと細身で小柄な体型やメイクの効果もあったのかな
でもこの役者さんの特徴はあの目だと思う
ある意味この役者は今後注目


ただ、琵琶法師は盲目だから当然目に何か貼り付けていて今回はあの「目力」を拝めなかった
その琵琶法師の平曲を聞きながら平盛国(鱸丸)は絶食により自害した
この時の上川隆也が頬がこけてものすごく衰弱していてすごい役作りだなぁと思った
視聴率的に散々だった作品なのにここまで手抜きせずに役作りに徹する役者魂はすごい
史実ではこの盛国の忠義に満ちた最期を頼朝も絶賛したとのこと


このような流れで一門の最期が描かれ、最後は西行を通しての清盛と頼朝の対峙というオチでしたね
その後の平家一門(なぜか重盛も復活してる)の集会を再度描いたのもどうだったのか
ただ重盛を演じた窪田正孝という役者さんはすごく良い!
これからどんどん活躍して欲しいって思えた
雰囲気がある


視聴率どうこうより全話通して基本的に清盛を「善人」に描きすぎてイメージとのギャップは常に感じながらの1年間でしたね
でも歴史上の平清盛も実際、そこまでの悪鬼・暴君でもなく、特に若い頃は心の広い大らかな性格だったとのことで、必ずしも「ダークヒーロー」であったわけでもないようで
でもやっぱり大河の主役となるとかな~り「大甘」な清盛像を作り上げるしかなかった事情もあったと思う
史実通りに描いていたらR-15指定どころか放送禁止レベルの暴君の一面もあったわけだから・・・
ただそれでも「あまりに優しすぎる」清盛は違和感あったなぁと見ててずっと思った


「驕れる平家は久しからず」と言うものの、そこまで驕っている描写もあったわけでもないし、
逆に戦闘のシーンが少なかったからいまいち平家の勢力が高まっている実感も感じられなかった
とりあえず後白河法皇を演じた松田翔太が歌が上手いということだけはわかった


歌と言えば昭和のNO1アイドル・松田聖子の再登場などもよくわからない演出だった
まだ堀川局の無意味な再登場よりは良かったが、祇園女御と乙前を同一人物にするのは無理がありすぎた
それに乙前の年齢は80代のはずなのにその若々しいこと・・・
りょうとは真逆で松田聖子や深田恭子には老け役は向かないんだろうなと思った
逆に信西の妻の朝子を演じた浅香唯や、盛国の妻の波子を演じた岩田さゆりなどはいつの間にか消えていた


平清盛と言えば日本史上でも屈指のビッグネームだ
それだけのビッグネームを扱った作品なら視聴率はそれなりになりそうだったがこの作品は低迷した
個人的には1年間最期まで見続けただけにこの結果は残念だった
でも1年間見続けたからこそ全体としての雑さが目立ち低視聴率も無理はないのかなと思う部分もあった
そして描くべきところを描かずに、崇徳院(井浦新/ARATA)の怨霊だけで1話割いたりなど、
不必要な所に話数や時間を割きすぎた部分があったかもしれない
あの怨霊の回は見ていて、この迷走する作品と視聴率の象徴のような回とさえ思えてしまった


平清盛を扱った大河ドラマは1972年の「新・平家物語」以来ちょうど今年で40年ぶりだった
その時清盛を演じたのは仲代達矢だった
初回視聴率は17.3%
これは2012年版の平清盛と奇しくも全く同じ初回視聴率である
しかし1972年版はその後は平均視聴率21.4%。最高視聴率27.2%を記録する


視聴率だけがドラマの評価の全てではない
内容だって大事である
この2012年版の平清盛は内容的にどうだったのか
まだ今の時点では何とも言えない
それでも最期まで見続けたのも事実
それなりに引き付けられる部分もあった
次の大河は見るかどうかわからないがNHKには今後も期待したいと思う


以上、平清盛 最終回(第50話)「遊びをせんとや生まれけむ」の感想(あらすじネタバレ含む)でした


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