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ラストコップ 3話(エピソード3) 感想 [ラストコップ]

ラストコップTHE LAST COP) エピソード3(第3話) 感想あらすじネタバレ含む)
今回のepisode3は派手なアクションはなく失われた人生と孤独に向き合う京極唐沢寿明)のちょっと切ないストーリー
京極のマンガキャラのような超人的身体能力を駆使したアクション一辺倒だったこれまでの作風からすると異色
ガラリと雰囲気が一変する内容
身体能力だけで脳ミソ筋肉キャラと思われがちな京極が実は頭も切れる部分が描かれる
つまり京極は完全無欠なスーパーコップということだ


京極が愛する街・横浜では単身で暮らしている老人の死亡が相次いでいた
どれも心不全による孤独死とあっさり片づけられていく
しかし京極は自らも30年後にはそうなってしまうんだろうなとやるせない気持ちになる
そもそも1985年当時はまだ「サザエさん」型ファミリーが多く「孤独死」なんて言葉もなかったんじゃないだろうか
街の灯りがとても綺麗ねヨコハマ・・・
街の灯りが全部消えたら停電・・・


30年間後の日本の文明の利器
ケータイのカメラやメールもようやく使いこなせるようになり、カーナビの便利さに感心する京極
さらにはネット通販にまで手を出し始めた京極
「南米でこんなに何でも扱ってるなんてすごい時代だな」とその「南米」からエアロバイクなどを勝手に亮太(窪田正孝)名義のカードで購入した様子
その「南米」とは「Amazon(アマゾン)」だったというオチで、さらに「ライダーキック」を必殺技として駆使している京極だけに「仮面ライダーアマゾン」ネタに発展する昭和テイスト全開


しかしそんな昭和ノリでバカやってる京極も自分が眠っている30年間の間に父も母も世を去ってしまっていた
妻も娘ももう「他人」になってしまっている
「オレは天涯孤独だ」とつぶやく京極の浦島太郎感がとても切ない・・・


しかしそんな京極に積極的に好意をぶつけてくる女性が現れた
30年前の京極と顔見知りだったお年寄りのヘルパーである石川七海(瀧本美織)である
京極は七海と結婚して孤独な老後から脱却できると人生に光が見えてきた
明るい家族計画


また娘の結衣(佐々木希)も京極が加奈子(和久井映見)の元カレではないかと誤解し、
亮太に懇願し京極を自宅に呼んで加奈子や誠(宮川一朗太)と一緒に食事をしてわだかまりを解こうと提案する
結衣の熱意に断り切れず京極に「斉藤由貴の握手会」と嘘をついてアイマスクとヘッドホンでどこかわからない状態にして鈴木家に京極を連れてきた亮太
あこがれの斉藤由貴ちゃんに会えると夢心地で亮太に導かれてきた京極
これがホントの「夢の中へ」?


加奈子は京極と七海が幸せそうに腕を組んでいるのを見ていて嫉妬していてそのことを吹っ掛ける
やっぱり加奈子は今でも京極を愛しているのも結構バレバレ
痴話ゲンカを始める2人
ケンカしてお互い文句も言い合えるくらいじゃなきゃ本当の愛情も友情も成立できない
やっぱりこの2人はかけがえのないパートナーなんだなと感じるシーンだった
恋人でも夫婦でも友達でもケンカもできないような気を使う関係じゃ長続きは難しい


そして結衣は京極に恋人ができたことを知り、その恋を応援する
京極と七海のデートを亮太と2人でこっそり監視して2人のイイ感じに安心した結衣
帰り道にムーンライト清美(マギー)の副業でやってる路上のカード占いを受けることに
ドラマにはありがちで清美の占いはほぼ確実な的中率を持っているようで、
亮太に頼まれて占った京極と七海の関係は最悪のカードを引く


逆に亮太と結衣の相性を占うと、こちらはかなり良かったようで
これで亮太と結衣はちょっとお互いを意識し始める?
恋の予感って感じ?
まー亮太は元々結衣に心惹かれていた様子だけど


佐々木希が若いから一見わからないけど結衣は32歳だから22歳の亮太からすればかなりな年上になるわけで、同じく「実質22歳」の京極からも10歳も年上になってしまうし、やっぱり京極の昏睡状態の期間と結衣の年齢設定は5年ほど下げとけば一番無難だった気がする


どうも「30年」という数字にインパクトを持たせすぎたかな・・・
加奈子だってババアババア言われてるし自分でも言ってるけど50歳であんな若いのも逆に不自然だし
全員5歳は設定年齢下げるくらいが一番無難な感じな気がする
京極京極で52歳であれだけ動けるというのもすごいけど
でも逆に52歳で肉体的衰えが全くなく老化もあの程度しかないというのも・・・
でも実際唐沢寿明自身が52歳なわけで今の50代はもうそれだけ若くなってきているのかもしれない


で、本編のストーリーの方であるが、孤独死とされた老人たちは皆ホームヘルパーとして七海が関わってきたことが判明する
これも2人も老人の死の時に七海との写真があった時点でもうピンときてしまう流れだけど
これと参考人聴取で聞いた七海の発言などから京極は七海が殺人を犯していると直感し、同じくそれを感じた亮太もさらに入念に調べ上げ七海が福士関係の人間でないと容易に購入できない安楽死をもたらす「ペントバルビタール・ナトリウム」という薬物を購入していて、死亡した老人からもそれが検出された事を知る


京極もやっぱり人間だった
鈴木は「先輩は捜査に私情は挟まない」と言っていたが、この「事実」から目を背けようとした
孤独と思われた自らの人生の光となったような女性
その女性が連続殺人犯であったという現実
京極は苦悩する
まるでダーティー・ハリー4のような展開・・・


しかし京極は刑事としての矜持を選び、七海の犯行を殺人未遂の現行犯の状態で捉える
突然「オレはあなたのことが好きです・・・七海さんと一緒に生きていきたいとさえ思っていた」と告白する京極
七海は悪性の脳腫瘍で末期の苦痛に苦しみ毎日のように「殺してくれ」と懇願する母を殺したと自供する
それから「生かされる苦しみに必死に耐えている」の状態の孤独なお年寄りたちを安楽死させるようになった
つまり七海が持つ「やさしさ」が生んだ連続殺人という結果だったのである


京極は「オレはあなたから生きる希望をもらえました。あなたなら命を奪う事ではなく、希望を見つけてあげることでみんなを救うことができたんじゃないんですか?それはあなたにしかできないことだったはずだ!」と告げる
その言葉を聞いた七海は「京極さん・・・あなたにはもっと早く会いたかったな・・・」と語り自ら京極に両手を差し出す
京極は涙ながらに七海に手錠をかける・・・


今回の事件で京極は生きる希望を失ってしまいかねない状況になったと感じた亮太
そのことを職場の皆に話すと鈴木も同調する
亮太は京極に商店街のアーケードを往復してくるように指示する
京極は30年前の知り合いなのか目を覚ましてからの28日間に新たにできた知り合いなのかわからないが、商店街では歩けばあちこちの店主から声をかけられるほど顔が広い上に「愛されキャラ」だった
アーケードを往復して戻って来ると店主たちから「持っていきなよ」って渡された食料でいっぱいの京極


そして署に戻って刑事課では京極の復帰歓迎会が開かれた
「ここでこんなことやったら署長に怒られるぞ」と言う京極だが、鯨井所長(田山涼成)も一升瓶を抱えてノリノリで参加してきた
京極に対して「一体どこの誰が1人ぼっちなんですか」と強く追及する亮太
京極も「そうだったな・・・すまん。オレの勘違いだった」と皆の心遣いに感動している様子の京極
乾杯のビール飲み絶叫する嬉しそうな京極の・・・唐沢寿明の笑顔がとても素晴らしかった


そんなハートフルな歓迎会のシーンと一転して鈴木家・・・
加奈子は家計簿に挟んでいる京極と結衣が一緒に写った写真を見つめる
思えばこの写真は30年間ずっと家計簿に挟んでいてずっと見ていたものなのかもしれない
そこに結衣が帰って来る
加奈子は焦ったように家計簿を閉じて不用意にそこに放置して「ご飯食べるでしょ?」と食事の準備に入る


結衣はさすがに名刑事の娘だけあって直感で何かを感じて加奈子が置きっぱなしにしている家計簿をパラパラとめくりその写真を見てしまう
加奈子に「この写真何?」と問い詰める結衣
加奈子は「あなたの本当のお父さんは・・・京極浩介さんなの」と結衣についにカミングアウト
正直これは最終回まで引っ張ると思ってたけど案外早い段階で明かしてしまいちょっと拍子抜け(笑)


しかし結衣はこれまで京極が結衣に言った「家族は・・・いないよ」、「何もしてあげられなかったからな」、「オレは愛する家族を全力で守ります」などの言葉とその場面がフラッシュバックのように蘇る
思えば独身(と、されている)の京極が「愛する家族を」と言った時点でおかしな話ではあった
そこに誠も帰って来る
鈴木家崩壊の序曲・・・


派手なアクションはなかったものの、ハートフルストーリーでもあり、物語の最大のポイントである京極と結衣の関係もあっさり知らされるなどいろいろ盛りだくさんなエピソード3(第3話)だった
七海はあれだけ大量殺人に手を染めてしまったら死刑になってしまうんだろうか
七海なりの「良心」が生んだ殺人であっても大量殺人とされてしまうのも事実
これは裁判ドラマなどで扱ってほしいテーマでもある


そして怪しい怪しい遠藤(佐野史郎
どうやら京極は30年前の事故の直前の記憶がまだ思い出しきれないが、そこで相当な事を知ってしまったようで、今日はその時のパソコンを見ようとしたことまで思い出した
遠藤は京極と亮太の住まいまで「敵情視察」にやってくるほど
京極と亮太が寝静まった頃1人起きて何かしようとしていたし・・・


安楽死の問題は世界中で議論されている
昨年もアメリカのブリタニー・メイナードさんの安楽死問題が世界中で話題となった
「助かる見込みがなく苦しみしか残っていない人生になっても生き続けなければいけないのか?」
死刑存置と死刑廃止のようにこの安楽死の是非もどちらの主張も妥協する気配がない
人間の意見や感情をまとめて同じ方向に向ける事って本当に大変な事である・・・


ただ、七海は死にたいという意思をしっかり確認していたか怪しいしやはり行き過ぎた行為であった
「過ぎた正義」というやつだ
でも瀧本美織の好演はアクション一辺倒になりがちだったこのドラマにちょっとしたギャップを産むきっかけとなってとても良かったと思う


あと、京極のやり場のない寂しさ・・・喪失感を若いながらもしっかり理解してあげている亮太はホント偉い
22才の子になかなかできることじゃあないぜ?
京極の為にパーティー開いてあげたりホントいい子よね


とにかく孤独に悩む京極
しかし加奈子が結衣にカミングアウトして家族が復活できる流れになるか?
でもそれだと鈴木があんまりだ
新しい子供が産まれていないことを考えると鈴木は夫婦生活もなくプラトニックな仮面夫婦のような関係で加奈子や結衣に接していたのでは?
だとすると鈴木の30年間も「失われた30年」になってしまう


そういや京極は前回合コンで意気投合した相手がいただろ(笑)
いっそのことアイツと結婚すりゃ孤独死から免れることもできるだろう
既に野球拳やるほど打ち解けてたんだから(笑)


それにしても今回見てて思ったのはこの結衣という女性である
これだけのルックスで32歳まで独身でしかも彼氏もいないというのも考えにくいわけであるが、
さらに彼氏がいないことや独身であることを焦っている様子まで全くないように見える
母が18歳で結婚して自分を生んだ状況であれば尚更32歳で何も焦っていないのも不思議なような・・・
もちろん「親は親、自分は自分」だろうし、この30年間で結婚を焦る年齢ラインも若者扱いされる年齢ラインも大幅に上がっているから一概には言えないけどね


80年代のマンガとかドラマとか見るともう25歳でオジサンオバサン呼ばわりされてるし、
結婚も25歳までにできなければクリスマスケーキに例えられ「旬」を逃したように言われている
さらに25歳を過ぎると自分自身も子供たちに「おじさんはね」とか言っちゃってるのを何かのドラマで見たことある
今じゃ30過ぎても「お兄さん」・「お姉さん」と呼ぶ時代だ
この30年間でテクノロジーの進化もすさまじかったが、文化面や人間の平均寿命の延びや老化の遅れ(アンチエイジングの発達)なども様々変化が生じているようである


結衣は今日初めてムーンライト清美の占いの結果で亮太を意識するようにはなったようにも見えるが、
それもどうなるのかまだわからない
でも確かに京極にとっては亮太なら娘を安心して任せられるこれ以上ない若者だと思うけど
今回のストーリーでは亮太の成長が見られるシーンも多かった
七海の犯行にノーヒントで気づいたのもあるし京極も七海が殺人者であることはわかっていたが、敢えて根拠を聞いたりしていたし、亮太の成長を内心は喜んでいたのかもしれない


ただ結衣は京極に何度も危険な場面を助けられている
特に前回なんて倉庫に監禁されているところを助けに来てくれて、
挙句には自らの命を投げ出してまで結衣を助けろとまで言い切った
普通そこまでされたら大抵の女性は恋してしまうんじゃないだろうか
もちろん京極が自分の父親より年上ということは知っているが、
ぶっちゃけ外見上とてもじゃないけど52歳には見えない京極だけにあまり年齢は問題じゃない・・・かも?


女心はあまり・・・全然詳しくないけど、とにかくあれだけ守ってもらったら大抵はその相手を好きになるのでは?
特に前回の倉庫でのシーンなどは文字通り白馬に乗った王子様が助けに来たようなもんだろう
ぶっちゃけあんなもん監禁されてるのが結衣じゃなくオレだったとしても唐沢に惚れちまうかもしれねぇ・・・
そんな雰囲気が全くなかった結衣はもしかしたらAセクシャル(無性愛者)なのかとさえ思えてきた
ドラマの演出上の問題なのかもしれないけどね
でも今回で京極が本当の父親だと明かされちゃったからもうこれで完全に惚れるも何もなくなっちゃったね


思えば再三命を助けられて守ってもらえた結衣が京極に恋してしまって、
「実の娘に求愛され当惑する京極」みたいなストーリーで2話くらい引っ張れたんじゃないだろうか
実の娘に惚れられるなんてわけのわかんねー展開はこんなドラマじゃなきゃ描けない
それはそれでかなり面白いストーリーになったと思うしちょっと見て見たかったな・・・
この3話の段階で早々にカミングアウトしちゃったのはいろんな意味でもったいなかった気がする
このカミングアウトはせめて最終話くらいまで引っ張った方が良かったんじゃないかなと思うし


そんな結衣のアセルクシャル疑惑はともかく、このドラマは本当に素晴らしいと思う
現在「シーズン1」という表現がされているから、
この「シーズン1」は「カグラ編」ということで、
今後シーズン2、シーズン3とまるで「24」や「プリズンブレイク」のような世界的人気ドラマに成長していくのかもやしれない
だったら尚更せめてシーズン1の間くらいは結衣に父親の事はわからないままにしておくべきだった気がする


とにかくこれほど面白いと思える刑事ドラマはなかなかなかった
京極の超人的身体能力など半分はマンガチックではあるけれど、そんな「ありえなさ」も楽しめる素晴らしいドラマだとしみじみ痛感している
あと京極のトレードマークになりつつあるスタジャンがかなり評判らしい
これ商品化して通販で販売したらめっちゃ売れるんじゃないだろうか
ドラマの人気が高まれば高まるほどこのスタジャンの人気も高まる気がする


オレもあのスタジャンほしいなぁ・・・
着ちゃおうかなぁ・・・
真夏にスタジャンか・・・


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