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プラトニック 3話 「娘の初恋」 感想 [プラトニック]

プラトニック(NHK BSプレミアムドラマ) 第3話 「娘の初恋」 感想(あらすじネタバレ含む)
ついに婚姻届を役所に提出することになった沙良(中山美穂)と青年(堂本剛/KinKi Kids)
婚姻届けの青年の名前や生年月日記入欄は順番待ちの番号札で隠されて見えない状況
あくまで「名前のない男」状態の青年
だが沙良はここで青年の名前も歳もわかったはず
青年が偽名を書いたり歳をサバ読んだりしてなければ・・・って婚姻届けは身分証明書持参も条件だったかな
でも妻がサバ読んでたの知らなかった夫とかいますよね
あれなんでバレなかったんだろう・・・


それはともかく提出した窓口の女性にガラケーを手渡し待ち受け画像の写真撮影をお願いする青年
戸惑う沙良に「ほら笑って」と促し、撮影された画像を「良く撮れてる」とはしゃぎ気味になる青年
「笑って」と促されても硬い表情は崩れてない沙良のままだったが、嬉しそうな青年
沙良は普段クールで何もかも達観していてそして超人的洞察力を持つ青年のそんな無邪気な姿を見てギャップを感じる
人間は・・・特に女性は「ギャップ」に弱い生き物


映画・「死ぬまでにしたい10のこと」の話をする青年
青年にとっての「死ぬまでにしたいこと」に結婚は「相手の事がある(残された相手が可哀想)」という理由で入ってはいなかったが、それでも「諦めていたことが何でもまだ可能なのかもしれない。そう思うとちょっとはしゃぎたくなってしまって」と素直な気持ちを吐露する
沙良は「私たちは普通の結婚とは・・・」と言葉を濁すと、「いいんですそれでも。これがホントの仮面夫婦」とつぶやく青年


2人が紗莉(永野芽郁)の病室に入ると香川遼(松井健太)という足を怪我した男子高校生と楽しそうに喋ってる
遼は看護師の年齢やルックスに文句をつけてビンタをされたとか言っている
そして「天使みたいな子がいるよ」と言われて紗莉に会いにきたとのこと
紗莉は「やだ、私天使じゃないから」と言いながら嬉しそうに照れる
「誰も君だとは言ってないけどね」と返す遼に「なんだ・・・」と膨れる紗莉
いや、これは確かに天使かもしれない
と、言うか全然人見知りしないんだよね紗莉
それにしても絵にかいたような美男美女というところがドラマだなぁと(笑)


紗莉を演じる永野芽郁も遼を演じる松井健太も共にスターダストプロ所属のタレントさん
これも同じスターダストの女優・早見あかりさんの弟かと思ったほどそっくりな松井健太君
こーゆー系列の顔が事務所的に好みなのかもしれませんね


とにかく紗莉と遼の雰囲気が「イイ感じ」なのを感じた沙良は嫌な予感が走る
娘に「初恋」の気配を感じている沙良
普通だったら喜ばしい話ではあるんだろうが・・・


沙良は武彦(吉田栄作)から呼び出される
呼び出された店はかつて沙良が離婚の口実を作る為に武彦にあてがった「ハニートラップ」担当の高田蓉子(青山倫子)が経営する小料理屋だった
沙良と青年の入籍に嫌味をネチネチ言う武彦に対し怒って帰ってしまう沙良
武彦は薄々蓉子と沙良が裏で繋がってることを感づいていて相変わらず荒れている
やっぱりこの武彦は紗莉が健常であってもどっちみち離婚は避けられなかった性格に思える・・・


沙良が家に帰ると弟の和久(小泉孝太郎)がやって来ていた
青年の為に作っておいた食事をムシャムシャと喰い、日の明るいうちからビールを飲んでる和久
どうやら常々愚痴を言っている妻がついに浮気をしていると疑ってるらしい
「離婚したい」とまでつぶやく和久
強気で傲慢な武彦と違いこっちは気弱で情緒不安定な性格


和久はしばらく家に帰らないと言いだし、青年が夜勤の間青年の部屋で寝かせてくれという魂胆でやってきた
夜勤に入った青年にも付きまとってずっと愚痴を吐き続ける和久
とにかく話を聞いてくれる存在がほしくて仕方ない様子
ケータイを盗み見て喫茶店で別の男と楽しそうに喋っていた妻を見たと言う和久
普段自分に見せなくなった笑顔をその男には見せていたことがショックだと凹んでいる


青年は「(奥さんは)あなたに甘えているんですよ」と言う
育児や外でのストレスを和久の前だけでさらけ出している・・・甘えてどこかわかってほしいと思っているんだと
和久だって仕事の愚痴は一番奥さんに聞いてほしいだろうと問う
和久は同調する
そして「私もそうでした」と話す青年


青年も病気がわかった時に付き合っていた恋人に辛く当たってしまったとのこと
「今考えると甘えですよ。苦しみや悲しみを理解してほしかったから。他ならぬ彼女にだけは」と語る青年
人間は自分を理解してほしい生き物
自分の悩みや苦しみをわかってくれて共感してくれる相手に心を開く
でもそれをわかってあげることが難しいんだけどね・・・


「好きだから、愛してるからこそひどい態度を(取るということか)?」と問う和久
「好きだから、愛してるからこそ」という表現に奥さんの自分に対する気持ちがそうであってほしいという願望まで込められているように感じる(笑)
「矛盾してますよね」と青年
「わかるよ。どうでもいい相手にはしねぇもんな」と返す和久
「なら、奥さんのこともわかってあげたら?」と言う青年の言葉に悩みながらコンビニの大福にパクつく和久


沙良は紗莉がケータイを握ったまま寝ていることに気づく
紗莉は明日退院する遼とケータイアドレスを交換していた
遼とのメールに夢中になっていたことは明らかである
初めての友達でもあり、同時に初めての異性とのメールということだろう
院内学級内で同年代との交流もあったのかもしれないけど
遼はこれから紗莉にたくさんメールしたり時々見舞いにも来ると約束する


沙良は翌日、退院手続きを待っている遼に沙良にどういうつもりで近づいたのか問う
その場面を紗莉の見舞いに来た青年も目撃するが青年はそのまま紗莉の病室へ
「別に何しようというわけでもないです。同情とかでもなく・・・普通に」と答える遼
遼がどういう気持ちで紗莉に近づいたのか本音ははっきりしないが、
看護師のルックスや年齢を気にしていたり、「天使」を求めて紗莉に会いに来たりと、ありがちなピュアな性格の持ち主というわけでもなさそうにも見える


「覗きに来る」という発言とか「女慣れ」してるような雰囲気もあるにはあるし、
純粋でシャイな性格の男子だったらまずあんなふうに接するどころか自分から声をかけることさえできないだろう
人見知りしない紗莉の性格もすぐに打ち解ける結果につながったと思うけど


でも遼だって紗莉が1度も病院から出たこともない重い疾患の持ち主だということはわかっているわけだから、
単に紗莉が可愛かったから純粋に友達以上恋人未満みたいな関係を続けたいだけかもしれないけど
とにかく母としては「悪い虫」かどうかを心配するのも当然だけど、それ以前に紗莉に恋愛による心と体の負担を与えたくないという思いから遼に紗莉に近づくな(メールの返事はもうしないで)と求める
遼も寂しそうに「わかりました」と沙良に従う


一方その頃は青年は紗莉に「(紗莉と遼の関係は)想像の世界じゃなくもうリアルだ」話す
「なんか(想像とリアルが)ごっちゃになっちゃいそうなんだよね」と返す紗莉
青年は「そういうもんだと思うよ、恋をするって」とついに「恋」という表現まで持ち出す
紗莉は恥ずかしそうに「まだ良く知らない人なんだよ?」と返す
青年は「100年知り合っても何とも思わない人だらけだよ」と世の中の真理を突きつける青年


青年はホームレスのテツ(尾藤イサオ)にまた賞味期限切れの弁当とお茶を差し入れする
「ありがたいけど、勤労意欲が失われるから大概にしてくれよ」とテツ
「甘やかされるとつけあがる生き物だからよ人間は」と続け、「掃除してもらうのが当然だと思うんだ」とまるで過去の体験談から語ってるようなテツ
「アンタが来なくなったらお門違いにも恨んだりするかもしれないというのは冗談だけど、人によってはそうなるかもしれない。でもオレはずっと感謝してるさ」とテツ


「それが人品(人間としての品格)の差なんだと思います。あなたはそれ(人品)が高い」と青年
テツは「ホームレスに人品もなにもないだろ。底辺だよ底辺」と自嘲するが、「そういう人のそばにいると安心するというか落ち着くんです」と青年
だから青年はテツが好きで良く会いに行くんでしょうね
ある意味、今の青年が本音を打ち明けられる相手はテツだけなのかもしれません


「恋人でも夫婦でもそうなんでしょうね」と青年
「してもらって当然みたいな相手には何もしてやりたくなくなるだろうな」とテツ
「ただただ・・・空しいだけでしょうね」と青年
いろいろ深い会話が続きます
ボロボロのホームレスの姿になりながらも人間世界の真理をしっかり理解して口にできるんですよね


和久は仕事を仮病で早退して沙良に病院内食堂のランチをご馳走してもらってる
今回の和久は食ってばっかりですね(笑)
やっぱりストレスや不満があると食欲が増幅するというかやけ食いに走るもんなんでしょうね


和久は「嫁がオレにキツく当たるのはオレに甘えているんじゃないかとアイツ(青年)に言われた」と沙良に語る
青年も脳腫瘍が見つかった時に付き合っていた恋人に天邪鬼なひどい言葉や態度をぶつけたことも話す
それで嫁に対する見方が変わったと和久
「もうすぐ死んでしまう人の言葉って妙な説得力ある」としみじみ語る和久
その言葉にいつも「彼(青年)がもうすぐいなくなってしまということを時々忘れてしまう」と感じている沙良は複雑な表情に


そして2人で紗莉の病室へ
ケータイに慣れていない紗莉は遼にメールが送れなくなったと和久に問う
「ならきっと変えたのよ、アドレス」とサラッと言い放った沙良の言葉や声のトーンや雰囲気で全てを悟ったとんでもなく利発な紗莉
何で病弱な少女ってみんな妙に利発で大人びているんだろう
青年もそうだけど死を前にすると人間は精神が急発達するものなんだろうか


「ママ・・・何を言ったの?遼君に何を言ったの?」といつもおっとりしている紗莉が珍しく声を荒げる
「住む世界が違う。そう言ったの」と返す沙良
「私は友達も作っちゃいけないの?」と激昂する紗莉
必死に紗莉をなだめる和久
非常に胸を打たれるシーンです


「みなさい、そんな風にすぐ取り乱すようになるでしょ。ママはそれが心配なの。あなたが期待して、裏切られて辛い目にあったりするのが」と沙良
「ひどいよ・・・ひどいよママ・・・」と本当に悲しそうに涙を流す紗莉が切ない・・・
「1か月後、半年後連絡が途絶えたりしたら今よりもっと辛くなる。思いって募っていくものだから」という沙良の言葉も確かに一理ある


「ひどいよ・・・」とただただ悲しみの涙を流す紗莉を見てて可哀想で辛くなってきてしまった
しかし沙良は母親らしく毅然として「私の事は恨んでもいい。だけどママは何をしても紗莉の事を守るから。今も、これからも」と言い切る
オロオロするばかりの気弱な弟であり叔父の和久
紗莉は耳を塞いで涙を流す


そのことを主治医の倉田(尾美としのり)に話す沙良
「思春期に少年から大人に変わる」と理解を示す倉田
もしかしたらこの恋が病気と闘う紗莉にとってモチベーションになるのかもしれないとも思った事を吐露する沙良
しかしやはり紗莉と遼の関係に胸騒ぎを感じてしまい、一度そう感じてしまうとどんどん悪い方に考えてしまったと沙良


倉田は「わかりますよ。それにそうした母親の直感のようなものは非科学的だけどなぜか大抵正しい」と理解を示してあげる
「苦しいです。あの子も苦しいだろうし、私も苦しい・・・」と娘の初恋も応援してあげられない辛さを吐露する沙良


「あの青年を連れて来てください。移植に適しているか心臓を調べましょう」と切り出す倉田
前回までの医師の倫理観から頑なに拒絶していたこの心臓移植手術についに前向きになる
「あなたたち親子は十分苦しんだ。もう解放されるべきです」と倉田
涙ながらに喜ぶ沙良
それにしてもあれほど拒んでいたのにいくら沙良の涙に同情したからって短期間でこんな簡単に考えを変えるものなんだろうか


妻に対する見方が変わったとか言いながらいつまでも沙良の家とコンビニに寄生しておしゃべりを続ける和久
なんだかんだで話し相手がほしいのかもね
紗莉の悲しみの現場を青年に話し「可哀想でならなかった」と同情する和久
「ただ、姉さんの言う事が正しいよな」と話す和久
「そうですか」と無表情の青年


「体の事考えて、今あえてそんな危険を犯す必要はないだろ。友達作ったり彼氏作ったりっていうのは・・・」とまで言いかけて口が止まる和久
何でも見抜ける洞察力抜群の青年は当然「私が死んで、心臓移植が成功してからでも遅くない」とフォロー
和久は「ありがとよ、言い辛い事を本人がいってくれて」と返す
相変わらず食ってばっかりでまたコンビニでビールとつまみを買う
オーナーの弟だからって金はしっかり払ってもらいます(笑)


「視野が狭いな」と青年
「ん?」と聞きかえす和久
青年の声を聞き取れなかったというよりも今まで自分に攻撃的なことを一度も言ったことがない青年がそんなことを言ったから戸惑って聞き返した感じ
再度「視野が狭い。そう言ったんです」と青年
「だから(オレは)嫁やガキにもバカにされるんだろ」と吐き捨てる和久


「ありがとうございます。言い辛い事を本人が言ってくれて」とさっきの和久のセリフを痛烈に投げ返す青年
やはり納得できないようで、「聞き捨てならねーな、何でオレの視野が狭いなんて・・・」と青年に問う和久
青年は心臓手術の成功率と成功後もの生存率がそれぞれかなり低い事を話す
和久は移植さえすれば普通の体になれると軽く考えていたと話す
それにしても青年はどこでそんなに知識豊富なのか・・・調べたのかな
かなり小さい部類のコンビニなのに飲食コーナーはしっかりあるこの店舗


紗莉は生まれた時から身近に死を感じてきたんだと語る青年
「それなのに、あなたはまだ待てと言うんですか?まだひとりぼっちでいろと言うんですか?」と和久に問う
「ちくしょう!だって仕方ないだろ」と和久
「仕方ない・・・仕方ない・・・」と青年
その「仕方ない」という表現が引っかかるような様子


そこに例の万引き大好き女都築美和(野村麻純)がヒールの音を甲高く鳴らせながら店内になだれ込んできているのに見向きもしない和久
都築は青年の腕に縋り付いて「変な男に追われてる。私の女だと言って追い払って」と懇願
実際、すぐにその男は店内に入って来ておもむろに立ち読みを始める
青年は「また私を貶める為のワナですか?」と言い放つ


都築は「もういい」と店から出て行っちまう
するとその謎の男もすぐに立ち読みをやめて後を追う
そんなことしたら「追ってます」とバレバレだと思うけど・・・
これで都築の話が狂言じゃなかたっと理解した青年
ユニフォームを和久に投げつけて店番を押し付けて青年は後を追う


都築は男に誘ってると勘違いされたみたいで後を追いかけられていたようで
男はついに強引に乱暴しようと襲い掛かる
そこに「最高にカッコいい堂本剛(青年)」が「そいつはオレの女だ」とやってくる剛ファン感涙のシーンへ
謎の男はすたこらさっさと逃げちまいました
「私、そんな軽く見えるのかな?」と青年に思い切り抱き付く
なんかあれだね・・・彼女は何か心に闇があって万引きに走ったりしてたみたいな感じだね


その夜のことはその後何も流さずいきなり翌日に
和久の店員姿見てみたかったんだけど(笑)
青年もあんな風に抱き付かれて泣かれたらすぐに引っぺがして店に戻れなかっただろうし
結構な時間和久は店を任されたわけで
レジの操作方法さえ知らなかったのでは(笑)


沙良は予知能力者のバイトの広末(前田公輝)に「お嬢さん、きっと良くなりますよ」と自信満々に告げられる
沙良は何の根拠もなくそんなこと言われても戸惑うばかりで店を出て行っちまいます
しかしホントにこんな能力があるなら天災とかも予知して多くの人々を救ってほしいですよね
シリアスドラマなのに超人間的なリアリティのないSFチックな登場人物です
青年にもそれは言えますがこの広末はさらに上回ってぶっ飛んでます
顔が中村獅童に似てるかな
「色が白い中村獅童」と言うべきか・・・
ちがうかい?


紗莉も少し落ち着いたようで沙良に反発したことを謝る
しかし青年が置いて行った香水が目に入り何か思わせぶりな笑顔を見せる
沙良は娘と仲直りできて「声が明るい」と青年に指摘される
沙良は妻にキツく当たられて腐っていた和久を立ち直らせてくれてありがとうと青年に例を言う
しかし青年が話した過去に彼女にキツく当たったという話は作り話だったと告げられる


口でなんだかんや言いながらも結局和久は妻と別れる気がない事を相変わらずの洞察力で見抜いていた青年
だったら妻が和久にキツく当たる理由を和久が安心できてラクになれるような作り話をしたということ
実際青年は和久と妻の関係を見たことはないわけですから、真実まではわからないでしょうが
とにかく苦しむ和久の心を救ってあげたいための作り話だったわけです
どこまでも「人間」というものがわかっていなければとっさにできない作り話でしょう


実際青年には付き合っていた恋人はいた
しかし青年は脳腫瘍発覚後彼女に辛く当たることはなく突然メールで別れを告げました
彼女は当然納得できず店に呼び出し直接理由を聞かせろと迫ります
しかし青年はその時脳の痛みを中和する強い抗生剤を飲んでいました
その薬が効いてきたことと、それまで睡眠ができない状況が続いていたことも重なり、青年はその場で眠ってしまったとのこと


当然彼女は怒って帰ってしまいました
その後彼女は青年の友達におそらく青年の事を相談したのがきっかけで「もうあんな奴忘れてオレと付き合えよ」的な流れになり街でソイツと楽しく手をつないで歩いているのを見かけたとのこと


「ショックだったでしょうね」と沙良
しかし青年は「いいえ」と否定
「弟さんの奥さんも元カレと楽しく話していたそうです」と語る青年
「本来、フォローする必要のない人品ですが、別れずに(和久が)我慢するくらいならと思って(あんな作り話をした)」と語る青年


相変わらず「人品(人間の品位・品格)」という表現が好きな青年
「人品・・・」と普通あまり口にしない表現に戸惑いながらも「少し傲慢な考えだと思う」と沙良
「結果論ですが、彼女はすぐに新しい恋人と・・・」と語る青年の言葉を遮るように、
「普通の別れだと思っているなら仕方ないと思うわ」と沙良
「また・・・“仕方ない”ですか・・・」とどうしても「仕方ない」という表現が引っかかる青年


すると場面が変わってなんといきなり生まれてから一度も病院の外に出たことがない紗莉をあっさり和久が病院の外に連れ出し、遼の高校の校門前に来ちゃってます
これ結構大事じゃないの?
今まで一度も病院の外に出たことがなかった紗莉が初めて病院の外に出たんだから、初めて見る「外の世界」だったわけです
これまで紗莉の「世界」は病院の中どころかあの病室の中だけの狭い狭い世界だったんですから


そんな一大イベントに至る経緯が思いっきり省略されてるし、「入浴中」のプレート出しといたくらいで外に簡単に連れ出せるものなのか
途中で普通にバレると思うけど・・・
そもそもどうやって遼の学校調べたんだ
メールで学校名まで聞きだしていたんだろうか


そんなあれこれツッコミたいことがキリがないが、とにかく遼が出てくるのを待つ紗莉
するとある程度時間を絞ってはいたんだろうけどまるでドラマのように都合よくあっさり遼が出てくる
実際校門の前で待っててもそう簡単に狙った相手なんて出てこないんだけどね・・・
リハビリ中らしいが杖もなく普通に歩いてるし・・・ってもう突っ込みだしたらキリがないな・・・
そして遼も都合よく紗莉に気が付く
和久は遼の顔を知らないから画面上に移るのは小泉孝太郎の「おでこ」だけ


大好きな遼が出てきて嬉しい紗莉は「天使のスマイル」を投げかける
遼は一瞬戸惑った後暗い表情になり下を向き友達に「おい!行くぞ」と言われると「あぁ」と答えてそのまま振り返らず去って行ってしまいました
あぁ・・・切ない・・・紗莉が可哀想で見てられない(>_<)
初めて見た「外の世界」がこんな残酷な物語だったなんて・・・


紗莉は「叔父さん、もういいよ。帰ろう」と和久を促す
「入浴中」のプレート出してきただけだから時間は限られていることもあり和久も同調
「でも叔父さん必ず連れて来てやるからな」と紗莉を励ます和久
「でももういいの・・・仕方ないよ」とまた「望月家の人々」共通語である「仕方ない」が紗莉の口からも出る
仕方ない・・・仕方ない・・・仕方ない・・・


そこで紗莉は発作を起こす
沙良にも連絡が入る
「私も一緒に」と青年
「彼の学校まで紗莉を連れ出したと言うの」と沙良
そのことをまるで知っているかのように何も答えない青年に怪訝な視線を投げかける沙良


紗莉はICU(緊急処置を要する総合病院内の集中治療室のこと)に運ばれたものの、倉田の適切な処置もあり大事には至らなかった模様
沙良がそこに駆けつける
紗莉を生まれて初めて病院の外に勝手に連れ出したことで倉田も沙良も激怒すると思いきや倉田は淡々としていて沙良も「とっとと帰れ」的に言うだけで特にお叱りもなし


遼を見つけたわけでもないのになんで急に・・・と嘆く和久
そこに入って来た青年がまるでその場にいたかのように相変わらず何でもお見通しな千里眼の持ち主のごとく「見つけたんでしょう、紗莉ちゃんは。おそらく向こう(遼)も」と事実を突きつける
沙良もそう思った様子
とりあえず再度和久に帰るよう告げて和久を追い払う
多分和久がそこにいたらいろいろ罵倒してしまうからだろう


ここで初めて青年と対面した倉田
もちろん心臓移植手術の対象が彼と沙良が説明したわけでもない
でも「新婚」の沙良と一緒に来た男性ということと、その独特な雰囲気で倉田ほどの人物ならすぐにわかったことだろう
お互いに全てわかり合った上で無言の会釈を交わす


紗莉の病室に入る沙良と青年
沙良も「私も紗莉は彼を見つけたと思う。そして向こうも」と語る
「きっと視線を外されたんだわ」と沙良までまるでその場にいたかのような千里眼の持ち主のようなセリフ
なんでそこまでわかるんだ(笑)
その通りだよ・・・もう紗莉が可哀想で見てられない(>_<)


「それがショックで(発作を起こした)」と沙良
「可哀想に・・・」と語る沙良だがその原因を作ったのは自分なんだけど・・・
「でも現実はそんなもの。時間が経って思いがもっと募っていれば・・・」という言葉に、「思いが募る?」と青年
そうなれば発作どころじゃなかった。何日も食べ物を口にしないということも起こり得る。あの子はそんな気持ちの免疫がないからとまくしたてる沙良


「誰だって初めは失恋の免疫なんてありません」と自らが置いて行った香水(フレグランス)の蓋が開いていることを確認した青年
「そんなことわかってる。でも(紗莉は)普通じゃないから」と沙良
「普通ですよ。(紗莉は)ごく普通です」と青年
「何を言ってるの?」と問う沙良


「視線を外されてショックを受けた・・・」と青年
「あなたもそう思うでしょ?」と沙良
「いいえ、私は違うと思います。紗莉ちゃんはホッとしたんです。ホッとしてどこか安心した。前の晩は眠れなかったんでしょう。苦悩と緊張から解き放たれて、その反動で発作を」
「ホッとした・・・」と理解に苦しむ紗莉


「彼女は現実を知ることができたからです。それが・・・悲しい現実でも」と青年
「まるで用意していたみたいな言葉ね」と沙良
沙良は青年が手にしている香水(フレグランス)の瓶と紗莉の鏡が目に入り、沙良は青年に「気の弱い弟が私に無断であんなことできるはずがない、弟に何を言ったの?」と食い掛かる
青年が和久に紗莉を連れ出すよう指示したと感じたらしい


青年は和久に心臓移植手術の成功率とその後の生存率の低さを話しただけだと告げる
そして「カタルシス(鬱憤や抑圧の打破・解放)がほしい・・・」と青年はつぶやく
「普段社会や家庭で報われない人ほど心の奥でカタルシスを求めている。“生きる意味”です。そんな彼(和久)が体の弱い姪に哀願されたら(必要とされたら)どうでしょう。“叶えてあげたい”そう奮い立って不思議じゃないでしょう」と語る
人間は理解・共感を求める生き物であることとか、普段報われない人間ほどその傾向は強いとか、青年は本当に人間心理を知り尽くしています
そうなんです、人は皆認められ賞賛されたい・・・普段恵まれぬ人生を歩む者ほどその気落ちは強いんです


「紗莉ちゃんは感謝しているでしょう。悲しい現実を思い出して胸が締め付けられるようにキュンとする。これから思い出して泣いてしまう事もあるでしょう。センチメンタルな夜です。それでも“何もない”夜よりはるかに素敵な夜だからです」と青年


「それが・・・命の危険を・・・」と語る沙良の言葉を遮って青年は「自分だけの大切な夜です!」と怒鳴る
いつも温厚・・・というより達観していて喜怒哀楽がほとんどない青年が声を荒げたのはこれが初めて
「あなたはそれを奪おうとした」と青年
「死んでしまう・・・」と言う沙良の言葉をまた遮ってさらに声を荒げて「誰だっていずれ死ぬんだ!!」と激昂する青年


青年に気圧されて言葉を失う沙良
「いいですか、“生きる”ことと“ただ生きてること”は違うんです」と実に深い言葉を言い放つ青年
「思いが募るのだって・・・何が悪い。押さえつければマグマのように煮えたぎるだけだ。やがて・・・心が崩壊してしまう」と目に涙を浮かべながら言葉を結ぶ青年
おそらくそれは紗莉だけでなく、自分自身もそうだからなのかもしれない


ここで沙良のナレーションが入り「後にも先にも彼がこれほど声を荒げ怒った姿を見たことがありませんでした」とのこと
「そして私は時々忘れてしまう。目の前の彼が明日にも倒れてしまう体であることを」と再三繰り返されるこの表現の後「なぜなら彼は、それでもまだ信じているようだったから。求めているようだったから。“本当に愛”を」とナレーションは結ばれる
後にも先にもこれほど声を荒げたことがなかったと言い切ってしまうってことはやっぱり青年は死んでしまうんですよね・・・


ここで回ごとにOPとエンディングを入れ替えながら流されているビリー・ジョエルの2つの主題歌で、今回は流れ的にも「オネスティ」の方がエンディングで流れる
そこで毎回恒例である沙良と青年の過去のストーリーが流れる


今回は青年の元カノ(浅見れいな)の別れるまでの経緯が描かれる
まずはLOVELOVESHOWだった頃の楽しそうな2人の映像
元カノにスケートを教えてあげる青年
わざとらしく転んで「痛-い」とか言って手を持ってもらって計算高そうにも見える元カノ(笑)
そして二人で見つめ合ってほほ笑む実際に演じてたらめっちゃ恥ずかしそうなシーン


そして例の別れの理由を問う喫茶店でのシーン
「急に別れるってどういうこと?」と問い詰める元カノ
青年は言葉に詰まる
元カノは目を覆って静かに涙を流している様子
その「間」が悪かったのだろう・・・
ここで鎮痛剤が効き始め強い睡魔に襲われてしまう青年・・・


青年が目を覚ました時はもう目の前に(ついでに店内にも)誰もいなかった
そりゃ泣いてる時に眠られたら「もうええわ!」となるのは当然
そして脳のCTスキャンを受けて病院からの帰り道
元カノが結構あっさり立ち直って青年の友達と手をつないで楽しそうに歩いているのを見かける
青年は無表情でその場を立ち去る


そして青年は思い出のアイスリンクへ
営業時間後なのか真っ暗で誰もいないアイスリンク
どうやって入ったのか知らないけど氷に跪く青年
そして誰もいないその先に手を伸ばし涙が頬を伝う切ないシーン
「ショックだったでしょうね」と言う沙良の言葉を否定していた青年でしたがやっぱり悲しかったのが描かれます
涙ひとひら・・・

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ものすごく濃くて濃くて深~いストーリでしたね
切なさ全開だし


それにしても紗莉を演じるこの永野芽郁という女優さんはまだ中学3年生みたいだけどすごい表現力ですね
将来どんな大女優になっちゃうんだろうというほど今でももう完成されたような表現力を感じます
なんか蒼井優を中学生に戻したような感じの顔だけど


今回は剛のカッコ良さや切なさなどすごく光っていてファンも大満足のストーリーだったんではないでしょうか
こちらも本当に素晴らしいものでした
そして人間心理に精通したセリフの数々も個人的に痺れました


人品
仕方ない
誰だっていずれ死ぬんだ
生きることとただ生きていることは違う
いろいろな表現がドラマを強く脚色していきます


ただ、都築を助けた後のその夜の事とか、紗莉が和久に病院から連れ出す事を哀願する様子など意図的なのか流されていませんが、そのあたりはシーンとして流しても良かったような気もしますけどね


和久が紗莉を病院から連れ出したのは心臓移植手術やその後の生存の難しさを話した事や、
「それでもまだあなたは彼女がひとりぼっちでいいと言うんですか?」という発言、
そして「カタルシス(あの場面では“必要とされる”)」などの要素が絡みおそらく青年が和久を扇動したというのは想像つきますが、香水が紗莉をどう動かしたかがいまいちわからなかったです
香水を鏡越しに見て意味深に笑った紗莉のシーンがありますし、香水が何らかの「魔法」を発したのは間違いないんでしょうが・・・


裏切られ傷ついて涙する失恋の夜でも「何もない夜」よりはいいというのは思わず「なるほど」と思ってしまった
このオレも振られたことは1回や2回じゃ済まないほど経験豊富でいつまでたってもいい思い出とは言い難いけど、女性としては「恋をした」ということ自体が良い思い出なのかなと
失恋さえも女を磨くことになるということか・・・
でもこれってやっぱすごく女子的考えだよね
いくら死を目前にしたからってなんで青年はそんな女子の乙女心まで精通してるんだ
もう人間心理の事ならありとあらゆることを知ってるって感じ
青年というよりこんなセリフや脚本を生み出す野島伸司先生がすごい(笑)


とにかくこのオレも失恋を怖がってないでこれからもどんどんフられろってことなのかな・・・
今年で34歳にもなるのにいつまでも仕事ばかりの人生なんて全然人間らしくないもんな
「ただ生きてる」だけだった気がする
これがホントの「人間・失格」?
野島先生はそんなことをこのオレに教えてくれた・・・かな??


次週予告では沙良が誰かに抱き付いてキスしたりベッドを共にしている様子が描かれていましたね
キスしてたのはどう見ても倉田・・・
ただあれは過去の回想っぽい感じでしたが現在のことなのかどうか・・・


どちらにしても素晴らしいストーリーでした
久々にビリビリ引きつけられるドラマにめぐり合えた感じです


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